日没後の西空で、肉眼等級の「パンスターズ彗星」を初めて見ることができた2013年3月11日。
太陽との距離が近いため日が沈んですぐの間だけしか見えず、しかも晴れているのに春霞の影響で霞み、見つけづらいコンディションが続いていました。
この日は前日までの春霞みが和らいだので、今日こそ見えるかな、と思って望遠鏡で探して、パンスターズ彗星を見つけ出すことができました。
2013年、大きな2つの彗星の接近が相次ぎました。「パンスターズ彗星」と「アイソン彗星」ですが、ここでは春に接近したパンスターズ彗星の画像とレポートを紹介します。
<撮影期間> 2013年3月11日〜3月14日
開設: 2019/03/15
最終更新:
日没後の西空で、肉眼等級の「パンスターズ彗星」を初めて見ることができた2013年3月11日。
太陽との距離が近いため日が沈んですぐの間だけしか見えず、しかも晴れているのに春霞の影響で霞み、見つけづらいコンディションが続いていました。
この日は前日までの春霞みが和らいだので、今日こそ見えるかな、と思って望遠鏡で探して、パンスターズ彗星を見つけ出すことができました。
雲に隠されながらも、6cm屈折望遠鏡を使ってパンスターズ彗星を見つけ出しました。望遠鏡にはカメラを取り付けて試写しながらの導入でした。
薄明の空の中で淡く尾を引いていました。その姿は、往年のヘール・ボップ彗星を彷彿としました。なぜなら、形も似ていて、その彗星も「夕焼けの空に見える肉眼彗星」だったからです。
2013年3月14日は快晴で空の透明度の高く、絶好の天気に恵まれました。 3日ぶりに晴れたこの日は、日が沈む前から望遠鏡をセッティングして彗星を狙ってみました。
すると、3日前より姿が成長しており、肉眼彗星の名にふさわしい雄大さを見ることができました。
これぞ「ほうき星」と言わんばかりに、立派な尾をしているではありませんか!
彗星との3日ぶりのご対面でしたが、この日は三日月が彗星を見つけるよい目印になってくれました。
上の写真では長く露出をかけることができました。その結果、前回より尾がはっきりと写り、カメラのディスプレイからも彗星らしい姿がよく判りました。
また、今回は望遠鏡FS-60CBに1.7倍エクステンダーを装着し、拡大率UPも狙いました。 ひとつ残念なことは、ベランダからの撮影のために障害物が写りこんでしまったことです。 赤道儀の極軸をあわせた後だったので、避けようがありませんでした。
そして、空が暗くなると共に、彗星は輝きを増していきました。
こちらも障害物が入り込んで残念な構図ですが、 13秒露出で連続撮影した複数コマをスタックしたので尾がくっきりと仕上がりました。
この頃になると地平高度が落ちたために背後の空も淀んでいますね。
このあと、彗星が山に沈むぎりぎりまで撮影を続けたのですが、夢中になりすぎて、とうとう眼視では観望せずじまい。
まあ写真がうまく残せたので、それでも満足といったところです。
−−−