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天体写真 (彗星)

C/2012S1 アイソン彗星

アイソン彗星(C/2012 S1)

2013年、大きな2つの彗星の接近が相次ぎました。「パンスターズ彗星」と「アイソン彗星」ですが、ここでは11月下旬にかけて太陽に大接近して崩壊した、アイソン彗星(C/2012 S1)の画像とレポートを紹介します。

<撮影期間> 2013年11月11日〜11月21日

開設: 2019/04/05

最終更新:

2013年11月11日、近づくアイソン彗星

太陽に近づいて非常に明るくなると期待されたアイソン彗星。いよいよ太陽接近日まであと18日と押し迫った11月11日の姿です。
2013年10月は2回撮影しましたが、翌11月に入ってからは11日になってようやくアイソン彗星の撮影ができました。

【直焦点撮影で捉えた】近づくアイソン彗星

アイソン彗星(2013年11月11日夜明け前)

C/2013R1 ラブジョイ彗星
2013年11月11日05時28分 / 撮影地 : 熊本県自宅ベランダ / カメラ : ニコンD5000 / ビクセン R200SS +コマコレクター (D=200mm fl=800mm F4) / 直焦点撮影 / ビクセンSXDにてノータッチガイド / ISO : 640 / ビクセンSXDにてノータッチガイド / 露出時間 : 30 秒露出, 15コマ
※ステライメージ5,PhotoShop CS4 (トリミング)

ようやく天体撮影の機会に恵まれた2013年11月11日未明、明るいラブジョイ彗星(しし座)とアイソン彗星(おとめ座)の撮影に挑んでみました。いつものように望遠鏡を使っての撮影ですが、今や眼視でウォッチングしようとなんて思わなくなった私。望遠鏡は写真をとるためにあるようなものです(笑)。

ラブジョイ彗星は6〜7等台で、しし座の大がまの先端付近にいる模様。しかし、曇ってきたので晴れるのを待っていたらベランダの屋根に隠されて導入できなくなってしまいました…。残念ですが、ピークはまだ先なので、また今度狙うとします。

そして、夜明け前に東から昇る本命のアイソン彗星の撮影には見事に成功。


アイソン彗星と火星の接近(2013年10月12日未明)

C/2013R1 ラブジョイ彗星
2013年10月12日04時15分 / 撮影地 : 熊本県自宅ベランダ / カメラ : ニコンD5000 / タカハシ FS-60CB(D=60mm fl=355mm F5.9)+フラットナー / 直焦点撮影 / ビクセンSXDにてノータッチガイド / ISO : 800 / ビクセンSXDにてノータッチガイド / 露出時間 : 30 秒露出, 32コマ
※ステライメージ5,PhotoShop CS4 (トリミング)

この日は火星と見かけ上並んでいました。ガイドしつつ自動インターバル撮影を駆使しての無人撮影です。地平線下から自動導入したのによく写野がズレなかったものだと感心しながらも、大量のコンポジット枚数を稼げました。

この頃の彗星はまだ遠く、写真上の移動がほとんどなかったことが判ります。

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2013年11月16日、扇のような尾

いよいよアイソン彗星が太陽に最接近するまであと12日となりました。
これから日々、尾の様子が変化していきそうで楽しみです。どうか、好天に恵まれますように。

現在アイソン彗星はおとめ座のスピカの近くに見えており、観望チャンスは夜明け直前、東の低空です。
今朝(11月16日)は、空の透明度はまあまあといったところ。久しぶりに快晴に恵まれ、明日以降天気も崩れるようなので、空が白み始めるまでのわずかな時間を利用して彗星を(R200SS直焦点、30秒露出で)撮れるだけ連続撮影していきました。

天文シュミレーションソフト上では今日の光度が5.1等と表示されており、5日前よりも1等級は明るくなっているようです。

さて、撮影後にパソコンで画像処理をしたらびっくり! 前回とった時より尾がすごくなっていました!

【直焦点】尾を伸ばすアイソン彗星

アイソン彗星(2013年11月16日夜明け前)

C/2013R1 ラブジョイ彗星
2013年11月16日05時42分 / 撮影地 : 熊本県自宅ベランダ / カメラ : ニコンD5000 / ビクセン R200SS +コマコレクター (D=200mm fl=800mm F4) / 直焦点撮影 / ビクセンSXDにてノータッチガイド / ISO : 320 / ビクセンSXDにてノータッチガイド / 露出時間 : 30 秒露出, 12コマ
※ステライメージ5 (トーンカーブ、デジタル現像),PhotoShop CS4 (トリミング)

扇のように広がった彗星の尾。そしてそれは幾筋にも分かれています。
青緑色をしたコマの部分は、中央集光が強いので白とびしてしまいました。
太陽大接近によるバーストはこれからであろうに、もはや見応え十分な美しい彗星へと成長を遂げております。

あまりに尾が魅力的だったため、派手に画像処理をしてしまいました。その影響でバックグラウンドが少し荒れてしまいました。
反射鏡より屈折望遠鏡のほうがきれいにうつるはずなので、今度はFS-60CBでも狙ってみたいです。

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2013年11月21日、尾はさらに広がる

アイソン彗星の太陽最接近まであと8日となった11月21日の明け方、5日ぶりに撮影できました。
もう見かけ上でも太陽に近いため、夜明け前の高さが低くなり、同彗星を見られるのも夜明け前のほんのわずかな時間のみです。
明日以降は、ますます見るのが厳しくなります。さて、11月29日の太陽最接近には一体どのような変化を見せてくれるのでしょうか。

【直焦点】薄明の中のアイソン彗星

C/2012 S1 アイソン彗星(2013年11月21日夜明け前)

C/2013R1 ラブジョイ彗星
2013年11月21日05時54分 / 撮影地 : 熊本県自宅ベランダ / カメラ : ニコンD5000 / ビクセン R200SS +コマコレクター (D=200mm fl=800mm F4) / 直焦点撮影 / ビクセンSXDにてノータッチガイド / ISO : 200 / 露出時間 : 25 秒露出×8 コマ
※ステライメージ5 (トーンカーブ、デジタル現像),PhotoShop CS4 (トリミング)

C/2012 S1 アイソン彗星(2013年11月21日夜明け前) 明暗反転Version

C/2013R1 ラブジョイ彗星
撮影データは同上

前回撮影の画像と比較すると、16日には扇状に広がっていた尾の様子が、棒状の一般的な(?)尾に戻っているようです。
過去の例で例えるなら百武彗星からヘール・ボップ彗星になったかのような。そう、今年春のパンスターズ彗星にも似ていますね。

仕上げの段階でPhotoshop側で赤色を強調してみると、尾がカラフルに見えてきました。左がイオンテイルで右がダストトレイルでしょうか?
美しい彗星の様子が写し出せました。
8コマコンポジットしたので、彗星が動いた分周りの恒星が線を描いて、約4分間の移動の様子も判ります。

念のために申しますが、彗星に合わせての本格的な追尾撮影ではなく、恒星時追尾(ノータッチ)の簡単な撮影であります。さすがに薄明の中なので、ISO感度は最低の200にして撮影いたしました。

明日以降、夜明けの東の低空の彗星撮影に挑んでみようと思います。今日までは自宅ベランダからでしたが、明日からは建物に隠されてしまうので、ミニ鏡筒かついで地平線付近も見える見晴らしの良い場所に遠征しようかと思案中。毎朝寒いですが、アイソンを追いかけたい所存であります。
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