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天体写真 (彗星)

ネオワイズ彗星(C/2020 F3)

ネオワイズ彗星(C/2020 F3)

2020年7月、肉眼で見られる大彗星が現れました。日没後の北西の空低く、明るく尾をたなびく姿は、北半球に住む多くの人に目撃されたことでしょう。

<撮影日> 2020年7月16日〜7月28日

開設: 2020/07/20

最終更新:

太陽接近後、急増光して1等級に

2020年7月、太陽接近後に大彗星になったネオワイズ彗星。そのニュースを知ってからしばらくの間は梅雨空が続いてなかなか見れずに歯痒い思いをしていましたが、ついに7月16日、やっと雲間から撮ることができました。翌17日と18日は晴天に恵まれませんでしたが、3日後の19日に良好な空条件のもとで、再度撮影に成功しました。

【直焦点】夕空のネオワイズ彗星(C/2020 F3)

7月16日

C/2020 F3 ネオワイズ彗星

2020年07月16日21時02分 / 撮影地 : 熊本県自宅窓辺 / カメラ : ニコン Nikon1 v3 / 直焦点撮影 / 望遠鏡: タカハシ FS-60CB(D=60mm fl=355mm F5.9)+フラットナー / 露出時間 : 8秒×8 / ビクセン SXD にて追尾

※PhotoShopCS4にて画像処理,トリミング

彗星と初対面を果たしたときの直焦点撮影画像です。低空の雲の合間から撮影しましたが、空が若干霞んでいて、彗星の尾は淡くしか写りませんでした。また、全体的に赤く写ったのもその影響と思われます。

それでも、集光のしっかりした核など、力強い姿を見せてくれています。

7月19日

C/2020 F3 ネオワイズ彗星

2020年07月19日20時53分 / 撮影地 : 熊本県自宅窓辺 / カメラ : ニコン Nikon1 v3 / 直焦点撮影 / 望遠鏡: タカハシ FS-60CB(D=60mm fl=355mm F5.9)+フラットナー / 露出時間 : 30秒×12 / ビクセン SXD にて追尾

※PhotoShopCS4にて画像処理,トリミング

3日後のネオワイズ彗星です。この夜は空の透明度もよく、30秒間も露出をかけることできて、たくさんの星々といっしょに青緑色をしたコマから延びるダストテイルの様子もくっきりと写し取れました。

肉眼では判りづらかったけど、写真に撮ると美しいですね。

【固定】夕空に浮かぶネオワイズ彗星

7月19日、薄明とともに

C/2020 F3 ネオワイズ彗星

2020年07月19日20時38分 / 撮影地 : 熊本県自宅窓辺 / カメラ : ニコン Nikon1 v3 / レンズ : ニコン 1Nikkor 18.5mm / 固定撮影 / 露出時間 : 13秒

※PhotoShopCS4にて画像処理,トリミング

この晩は彗星が最初見当たらなかったのですが、雲が上方向へ移動して、明るい彗星のコマがひょっこり顔を出しました。自宅から北北東方向は見晴らしがよくて美しい星景写真になりました。

7月19日、浮かぶ大彗星

C/2020 F3 ネオワイズ彗星

2020年07月19日21時15分 / 撮影地 : 熊本県自宅窓辺 / カメラ : ニコン Nikon1 v3 / レンズ : ニコン 1Nikkor 18.5mm / 固定撮影 / 露出時間 : 20秒

※PhotoShopCS4にて画像処理,トリミング

彗星の下にある雲を従えた部分は、海の向こうにある長崎県の雲仙普賢岳です。

イオンの尾を伸ばすネオワイズ彗星

日没後の北西の空に輝くC/2020 F3 ネオワイズ彗星は最盛期を過ぎ、徐々に暗くなっていきました。こちらでは7月16日に初観測後、19日、20日、21日、22日、28日とネオワイズ彗星の変化を撮影できました。

【ガイド撮影】イオンの尾が判るネオワイズ彗星

7月20日

C/2020 F3 ネオワイズ彗星

2020年07月20日21時15分 / 撮影地 : 熊本県自宅窓辺 / カメラ : ニコン Nikon1 v3 / レンズ : ニコン 1Nikkor 18.5mm / 追尾撮影 / 露出時間 : 90秒 + 120秒 合計 210秒 / ビクセン SXD にて追尾

※PhotoShopCS4にて画像処理,トリミング

淡いですが、彗星の尾がV字型に分かれて見えます。右側のはっきりした尾が「ダストの尾」、左側の細い尾が「イオンの尾」です。

【直焦点】7月20日〜28日のネオワイズ彗星

7月20日

C/2020 F3 ネオワイズ彗星

2020年07月20日20時51分 / 撮影地 : 熊本県自宅窓辺 / カメラ : ニコン Nikon1 v3 / 直焦点撮影 / 望遠鏡: タカハシ FS-60CB(D=60mm fl=355mm F5.9)+フラットナー / 露出時間 : 120秒×8 / ビクセン SXD にて追尾

※PhotoShopCS4,ステライメージ5にて画像処理,トリミング

この日が彗星の明るさと空の好条件とが重なり合ったベストな日だったようです。120秒の露出をかけ、8コマをコンポジットして尾を明るく表現するかわりに、青緑色のコマには白飛びしてもらいました。

7月22日

C/2020 F3 ネオワイズ彗星

2020年07月22日21時04分 / 撮影地 : 熊本県自宅窓辺 / カメラ : ニコン Nikon1 v3 / 直焦点撮影 / 望遠鏡: タカハシ FS-60CB(D=60mm fl=355mm F5.9)+フラットナー / 露出時間 : 120秒×4 / ビクセン SXD にて追尾

※PhotoShopCS4,ステライメージ5にて画像処理,トリミング

合計8分間露出していますが、背後の恒星が線を描いているのは極軸が若干ズレていることによります。また、彗星が動いている方向もたまたま同じでした。

望遠鏡でクローズアップするとイオンの尾は写ってくれませんね。

7月28日

C/2020 F3 ネオワイズ彗星

2020年07月28日20時41分 / 撮影地 : 熊本県自宅窓辺 / カメラ : ニコン Nikon1 v3 / 直焦点撮影 / 望遠鏡: タカハシ FS-60CB(D=60mm fl=355mm F5.9)+フラットナー / 露出時間 : 120秒×4 / ビクセン SXD にて追尾

※PhotoShopCS4,ステライメージ5にて画像処理,トリミング

6日ぶりにネオワイズ彗星を見つけようとしたら、暗くて見つけられませんでした。繰り返し、固定撮影して、ボワッとした天体を見つけそれを望遠鏡で導入すると、ちゃんと彗星らしい姿をしていました。

コマはまだボールのように写りますが尾は淡くなりました。ですが、新たに細い筋が通っているのが判ります。

ネオワイズ彗星の変化

彗星の尾の変化(7月19日〜28日)

C/2020 F3 ネオワイズ彗星

2020年07月19日〜28日 / 撮影地 : 熊本県自宅窓辺 / カメラ : ニコン Nikon1 v3 / 直焦点撮影 / 望遠鏡: タカハシ FS-60CB(D=60mm fl=355mm F5.9)+フラットナー / ビクセン SXD にて追尾

※PhotoShopCS4にて加筆,画像処理,トリミング

尾の変化が判りやすいように明暗反転させています。

彗星の移動(7月19日〜22日)

C/2020 F3 ネオワイズ彗星

2020年07月19日〜22日 / 撮影地 : 熊本県自宅窓辺 / カメラ : ニコン Nikon1 v3 / レンズ : ニコン 1Nikkor 18.5mm / 固定撮影

※PhotoShopCS4にて加筆,画像処理,トリミング

1日(24時間)おきに撮ったネオワイズ彗星の固定撮影による写真を、4日間の移動がわかるように、パソコンで恒星に位置を合わせて部分的に切り貼りした後「比較明」合成でブレンドしました。彗星が左上に向かって進んでいるのが判ります。

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