太陽面で巨大な黒点(Sunspot)が出現中との話題を知り、本日(2014/10/26)、6cmアポクロマート屈折望遠鏡で撮影してみました。
2003年11月にも巨大な黒点が現れて写真に収めたのを思い出しました。前回と同じく、太陽活動ピークの2年後でしたね。
11年周期の太陽活動極大期には、太陽面に大きな黒点が現れることがあります。日食メガネごしに肉眼で見えるほど大きくなることもあり、そんな巨大黒点は「肉眼黒点」ともよばれます。そのような大きな黒点の出現する頃は太陽の活動も活発なので、地球にも磁気嵐という影響を及ぼすこともあります。さらには北海道などの低緯度地帯でも「低緯度オーロラ」が現れたりします。
近年では2003年11月と2014年10月に大きな黒点が現れて話題になりました。ここでは、その時に撮影した巨大黒点写真を紹介します。
<撮影期間> 2003年10月27日〜11月1日, 2014年10月26日
開設: 2019/04/04
最終更新:
太陽面で巨大な黒点(Sunspot)が出現中との話題を知り、本日(2014/10/26)、6cmアポクロマート屈折望遠鏡で撮影してみました。
2003年11月にも巨大な黒点が現れて写真に収めたのを思い出しました。前回と同じく、太陽活動ピークの2年後でしたね。
黒点が正面に来ている時に撮影できなかったのが少し残念ですが、画面右よりにまとまった巨大な黒点群が確認できます。屈折望遠鏡の先端に光量を10万分の1に減光するフィルターを取り付けて撮影。
現在、太陽に巨大な黒点群が出現し、話題になっています。
これほど大きな黒点が2つも現れるのは非常に珍しいことです。
現在、太陽の活動は活発になっており、地球にも磁気嵐という影響を及ぼしています。
また、これに伴い、極地方で大規模なオーロラが出現しており、
なんと日本でも、北海道をはじめ中部地方でも「低緯度オーロラ」が見られたとのことです。
そんな、活発な太陽の姿を毎日撮影しています。
ここから下は、2003年10月27日から私が撮影した黒点の画像です。
11月1日正午に撮影した太陽である。
薄雲を利用して、今日はノーフィルターで撮影した。
つまり、太陽をそのまま撮影したのである。
雲が適度に太陽光を減光し、はっきりと黒点が写っている。
20cm反射望遠鏡でノーフィルターで太陽を撮ってみた。
…実は、この撮影方法は非常に危険である。
太陽に雲がかかっていなければ、接眼部に取り付けたカメラは即、故障だ。
今日は、本当に薄雲が天然の減光フィルター効果をもたらしていたので、
薄雲を信頼し、なんと望遠鏡で直接太陽を撮るという危険行為を行ってみた。
どうか薄雲よ、去らないでくれ!と祈りながらの撮影であった。
薄雲が外れれば、即、カメラのCCD素子は焼け焦げたことだろう。
運良く、薄雲が太陽をカバーし続けてくれたので、ピント合わせも急いで済ませ、
ノーフィルターでシャッターを切ることができた。
太陽の背景が真っ黒ではなく青空なのは、ノーフィルター撮影の賜物だ。
…自分の撮影機材に愛情があるならば、絶対に皆既日食時以外では
ノーフィルター撮影はやめた方がいいだろう。
こちらも、ノーフィルターで撮影した画像です。
…3番目の巨大黒点をクローズアップしてみた。
もっと解像度を上げるため、アイピースを5mmに替えるべきだったが、
一歩間違えばカメラが壊れるという、ノーフィルター撮影の緊迫状態の中では
そんなことは思い付く余裕もなかった。
昨日(10/31)は2個に分裂していた黒点が、今日は3個になっている。
もっと黒点は分裂し続けるのだろうか。しかし、もうこの黒点群も間もなくで
太陽の淵に到達してしまうので、この黒点群は今日・明日で見納めとなるだろう。
この画像では太陽の淵がうっすらと判る。
10月31日午前に撮影した太陽である。
2つの巨大な黒点群が、太陽の右淵に近づいてきた。
昨日(10/30)の太陽画像と見比べると、
太陽が1日でどのくらい回ったのかが判ることだろう。
これらの黒点群は、昨日は太陽面の中央に位置していたのだ。
10月31日の、巨大黒点群を望遠鏡で拡大した画像である。
白紙への太陽投影像をデジカメで連写し、
Registaxで53枚スタック、ウェーブレット処理を行った。
円弧は、太陽の左上の輪郭である。
太陽の大きさに対して、これらの黒点がどれだけ大きいかが判るだろう。
さて、それぞれの黒点群の変化を見てみよう。
下が2番目、上が3番目の巨大黒点群である。
昨日(10/30)撮影の黒点拡大画像と見比べると、
まず下の黒点群はバラバラになりながら拡散しつつあるようだ。
そして、上の3番目の黒点群は、昨日よりさらに大きくなってきた。
当初、リング状に繋がっていたこの黒点群は、
2日ほど前から2個の巨大な黒点に分離、
そして現在では分離した2個それぞれの黒点が独自に成長しつつある。
今後も、この黒点群は、濃く図太くなっていくのだろうか。
とはいえ、間もなくでこれらの黒点群も太陽の反対側に回って
見ることができなくなる。
見えなくなるまでの残り2〜3日、この黒点群の成長を見守りたい。
なお、投影板を写した画像なので、上のデジカメ+単眼鏡での
太陽面全体画像と比べて左右反転して写っている。
10月30日朝に撮影した太陽である。
最初に発生した巨大黒点は、ちょうど太陽の右淵に達しており、
この画像では存在が判らなくなった。
そして、2番目に発生した巨大黒点群(画面中央下)、
3番目に発生した巨大黒点群(画面中央上)が
ちょうど太陽面の正面までやってきた。
3番目の黒点群は、10/28にはリング状に見えていたのだが、
わずか2日のうちに形が大きく変わってしまった。
現在では、2個の濃い黒点に分裂しているのが判る。
昨日10月29日日中、太陽面でフレアが発生し、話題になった。
フレアをもたらした黒点群は、このうちの一つかもしれない。
10月30日の、巨大黒点群を望遠鏡で拡大した画像である。
といっても、白紙への太陽投影像をデジカメで
連写し、スタックしたものである。
巨大黒点群は向かって左側の上下に写っている。
下が2番目、上が3番目の巨大黒点群である。
10/28の黒点画像と見比べてほしい。
それぞれの黒点群は、2日でかなり形が変わってしまった。
特に、上の三番目の黒点群から濃く芯のしっかりした黒点が成長してきた。
一方、下の2番目の黒点群はやや衰えてきた。
巨大黒点群以外にも、複数の中規模黒点が見られる。
右側の円弧は太陽の輪郭である。
太陽の大きさと比較して、黒点がいかに大きいかが判る。
なお、投影板を写した画像なので、上のデジカメ+単眼鏡での
太陽面全体画像と比べて左右反転して写っている。
画像の淵に見られるダブりは、重ね合わせによるものである。
投影板の紙の繊維の影響で、画像全体が若干ザラついている。
(Registaxにて21コマをスタック&ウェーブレット変換)
昨日27日の太陽面にはなかった、指輪状の黒点が出現している。
画面中央やや左上に見えるものがそれだ。
この画像はデジカメオプションの単眼鏡を使用して撮影したので、
昨日の画像より解像度が高い。
巨大黒点を望遠鏡で拡大して撮ったのがこの画像だ。
左上の黒点が一番最初に現れた巨大黒点、
そして下部にある黒点が、二番目に現れた巨大黒点だ。
現在では、この二番目のほうが巨大化している。
半暗部も大きく広がり、小規模な黒点も周囲に多数点在している。
そして、本日(10/28)、ついに三番目の巨大黒点が現れた(下画像参照)。
この黒点は珍しい形をしており、半暗部がリング状に繋がっている。
黒点がまるでリングに付いたダイヤモンドのように見えており、
その形はまさに指輪である。
この黒点は今後どう成長するのか、見守りたい。
ちなみに、この画像は太陽像を望遠鏡の接眼部から白い厚紙に投影し、
その投影された太陽像をデジカメ(解像度SXGA)で連写し、
Registaxで11コマスタックしたものだ。
このおかげでフィルター使用の拡大撮影とも見間違えんばかりの
鮮明な太陽面の黒点画像となった。
太陽面撮影にもRegistaxでの処理は、抜群の効果を発揮してくれるようだ。
2番目の巨大黒点と、
3番目の巨大黒点の拡大画像
太陽面に2つの大きな黒点が現れているのが判る。
デジカメのみによるズーム撮影。